ヤクルト村上宗隆「三冠王」へ驀進中! 心・技・体から読み解く“村神様”の作り方
ヤクルト村上宗隆(22)の勢いが止まらない。4日の中日戦で今季51号本塁打を放ち、5日現在、打率.341、51本塁打、125打点と打撃3部門でトップを独走。2004年の松中信彦(ダイエー)以来の三冠王を史上最年少で獲得する可能性が高まっている。超人的な活躍ぶりから「村神様」と称される若き大砲はいかにしてつくられたのか。その心・技・体から読み解く。
■「体」素振りと大食漢
身長188センチ、97キロと恵まれた体は、約180センチの父と約170センチの母のDNAを受け継いだ。
入団時点で体脂肪率は13%程度。体の大部分は筋肉で形成されている。
高校時代からウエートトレーニングをやっていたとはいえ、いわゆる原始的な方法で土台をつくった。少年期から続ける素振りは、全力で振り抜くことを意識してきた。技術はもちろん、野球に必要な筋力も鍛えられた。
サプリメントなどに頼らず、食べることで体を大きくした。高校時代に身長が7センチ伸び、体重は20キロも増えた。
ヤクルトOBが言う。
「地方の鶏料理屋に行ったとき、20センチ以上ある骨付き鳥を10本もペロリと平らげたあと、寿司も胃袋に詰め込んだそうです。プロ2年目から一軍で全試合に出場し続ける体力があるからこそ、成績もついてくる」
好成績の裏には、無尽蔵のスタミナがある。
今も試合前は重りをつけて素振りをやることがルーティンになっている。前出のOBが言う。
「コーチが言うには、『彼が一番素晴らしいのは、決して練習で力を抜かないこと。ティー打撃も100%の力で最後まで振り切る。小さなことをおろそかにせず、基本が大事だということをしっかりと理解している』と。打撃練習では全力で振り切ることを心掛けているからこそ、フォロースルーが大きい。ランニングやウエートなどで鍛えた下半身の力強さと安定感も相まって、緩い球に泳がされても片手一本で本塁打を打てる」