大横綱・双葉山の一番弟子の孫「大波3兄弟」たちの入門秘話
最初に入門したのはもちろん、長男の若隆元。次男の若元春は当初、荒汐部屋に入る予定はなかったんですね。彼らのお父さんは3兄弟全員を力士にしたいと思っていても、「全員同じ部屋というのは果たしてどうなのか……」と、考えていたようです。
そんな中、若元春は「荒汐部屋がいい」と言い、長男に続いて入門となりました。彼が入門した年の3月、東日本大震災があり、福島県に住んでいた大波一家は一時、東京に避難してきました。両親は荒汐部屋の後援者の方々が面倒を見てくれ、私は自宅で3兄弟を預かることに。そこで寝起きしながら相撲の稽古もしていたので、その縁もあったのでしょう。
■定年を懸念
もっとも、3兄弟はそれ以前から、夏合宿などで荒汐部屋に泊まることもありましたから、何となく「入門するならこの部屋に」という思いがあったのかもしれません。
そして三男の若隆景も当然のように……と言いたいのですが、実は兄弟の中で一番進路に悩んでいたのが彼なんです。