侍Jの4強進出は“最低限ノルマ”達成に過ぎない…WBC米国ラウンドは「違う大会」と権藤博氏
本気のアメリカにはね返された前回大会
前回大会も東京ラウンド6試合で平均得点7.7点と打線が好調。意気揚々と準決勝の舞台であるロサンゼルスに乗り込んだが、決勝進出をかけて戦った米国戦で打線が沈黙した。日本代表はわずか4安打に抑えられ、1-2で敗戦。当然、試合に備えてデータ分析を繰り返し、チームで情報は共有したが、実際に対峙した米国投手陣の投げるボールはビデオの中のそれとは違った。
権藤氏が振り返る。
「米国は先発(のロアーク)を含めて7人の投手を矢継ぎ早に投入。そのどれもが150キロ超のボールを投げ、しかもそのボールが重く、動く。好調だった日本打線の打球がほとんど外野に飛ばない。特に中盤以降に出てくる向こうのリリーフ投手は強烈でした。日本の投手陣も世界有数のレベルだが、短いイニングに限定すれば彼らの球威、球質はその上を行く。投本間は18.44メートルですが、彼らはそれが仮に19.44メートルでも影響がないというくらい、ボールを動かしながらも、捕手のミットに入ってからもまだ威力が落ちないのです。これがメジャーの底力かと思いましたね」
日本は0-1の六回に菊池涼介(広島)がこの試合初の長打となるソロ本塁打を放って同点としたものの、以降は1安打で内野の頭を越えたのは2本だけ。打球が外野にすら飛ばなかった。