ダル今季初登板5回1失点も調整遅れ否めず…大型契約の反動心配、焦ればカブス初年の二の舞
■カブス1年目は1勝3敗、防御率4.95は自己ワースト
もっとも、今季のダルはWBCより気がかりなことがある。それは大型契約の反動だ。今年2月に6年総額約142億円で合意。力量が落ちるとされる35歳以上の投手にしては異例の長期契約となった。
パ軍によるダルへの評価の高さがうかがえるとはいえ、期待に応えられるとは限らない。長期契約1年目のシーズンは満足に働けなかった過去があるからだ。
ダルは6年約136億円でカブスにFA移籍した2018年、右肘などの故障もあって8試合に登板しただけで、わずか1勝3敗、防御率は自己ワーストの4.95に終わった。当時の地元メディアなどの報道によれば、この年の5月に右肘を痛めたダルは8月にマイナーでリハビリ登板したが、大型契約で移籍した1年目のプレッシャーもあって復帰を急いだため、患部に負担がかかって再発したという。
ここにきてパドレスは野手のリーダー格であるクロネンワースと新たに7年106億円で合意。これでパ軍の大型契約はダルと並ぶエース格のマスグローブ(5年約133億円)も含めて7人となった。マスグローブはオフのトレーニング中に左足親指を骨折して開幕から出遅れた。
エースの自覚が強いダルのことだ。レギュラーシーズンで無理をすれば、カブス時代の二の舞いになりかねない。