マラソン絶対王者キプチョゲのボストン6位敗戦を生んだ冷雨と寒さ
絶対王者が負けた。
現地17日のボストンマラソンは昨年覇者のエバンス・チェベト(ケニア)が2時間5分54秒で連覇を達成。それより驚いたのは、五輪連覇中で世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が6位に沈んだことだ。
38歳のキプチョゲは世界の主要6大マラソン(ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティ=NY、東京)のうち4つを制覇。残すは過去出場していないボストンとNYだけだった。この日は30キロ過ぎまで先頭を走るも、冷たい雨と10度を切る気温が影響したのか、その後はライバルのペースアップについていけなかった。
5000メートルが本職だったキプチョゲは、2003年世界陸上金、04年アテネ五輪銅、08年北京五輪銀など輝かしい成績を残し、13年からマラソンに転向。これまで17戦して15勝の圧倒的強さでマラソン界に君臨し、14年ロッテルダムから19年ロンドンまで破竹の10連勝。18年ベルリンでは当時の世界記録(2時間1分39秒)も出している。
18戦目にして3敗目を喫した「王者」は今回のボストンで優勝し、11月のNYで「6大マラソン制覇」を完結させるはずだったが、偉業は来年以降に持ち越された。