宮城野親方が来年理事選出馬にいよいよ本気! 相撲協会を揺るがす「白鵬の乱」勃発か
浅香山親方が出馬予定
もちろん、投票になった場合も一門内で緻密な調整が行われる。
一門ごとの親方の数は出羽海36人、二所ノ関30人、時津風15人、高砂11人、伊勢ケ浜12人。出羽海や二所ノ関は自前で3人を当選させることができるが、時津風は他一門から票を回してもらって2人を当選させている。高砂、伊勢ケ浜は1人を当選させるのがやっとだ。
そこで白鵬である。親方のひとりが言う。
「白鵬の所属する伊勢ケ浜一門では、元大関魁皇(51)の浅香山親方を理事選に出馬させることで調整が進んできた。どの一門も現役時代の地位や一門内の人望を加味した上での年齢順が慣例だが、実際は理事選出馬に年齢などの条件はない。もちろん、白鵬が出馬したって構わない。ただ、伊勢ケ浜一門から2人の当選は持ち票的に非常に厳しい。一門内では白鵬に翻意を促す声もあるようですが……」
白鵬は親方になってまだ2年目。実績だけでいえば、黙っていてもいつかは理事になれるはず。しかし、じっとしていられないようなのだ。
「白鵬の理事選出馬のウワサは去年くらいからあった。白鵬の出身であるモンゴルも年功序列の意識は強いが、『年下だから不満があっても従う』というわけではない。もともと野心家の白鵬にすれば、『理事選に出ちゃいけないルールはない』くらいのつもりでしょう。
浅香山親方は現役時代、八百長騒動でモンゴル人力士が数人処分を食らったことに納得がいかない白鵬らが、『俺らモンゴル人力士は次の場所をボイコットするぞ!』と気炎を上げていたところを、『相撲を見に来てくれるファンのことを考えろ! ボイコットなどダメだ!』と一喝し、沈静化させたこともある。今回も浅香山親方が時期尚早と抑えてくれれば……と思うが、今の白鵬が引き下がるかどうか」(前出の親方)
■頼みの綱は同郷出身親方
弟子の伯桜鵬の躍進に加え、大関昇進が確実な豊昇龍、新大関の霧島はともにモンゴル勢。横綱照ノ富士も日本国籍を取得したもののモンゴル出身。豊昇龍や霧島らは白鵬の弟子でも何でもないが、先を見据えればモンゴル勢力拡大にもつながる。彼らの活躍は他のモンゴル人力士や、同国出身親方の励みにもなる。
「実際、バカ正直に理事選に挑んだって、負け戦は確実。伊勢ケ浜一門の12票中、浅香山親方を当選させるために10票。白鵬が計算できるのは部屋付きの間垣親方(元幕内石浦)と自分の2票だけです。ただ、角界全体を見渡せば、モンゴル出身親方は他にも4人。これで6票となり、あとの4票は資金力にモノをいわせて……と白鵬は計算しているでしょう。ただ、同郷だからといって全員が白鵬に投票するかどうか。所属する一門のしがらみや、志が違えばなおさらです」(前出の親方)
今年1月に行われた白鵬の断髪式に、協会執行部からの出席者はゼロ。横綱の断髪式としては異例も異例だった。親方になるときには「相撲界のしきたりを逸脱しないこと」「先輩親方の指導をよく聞くこと」といった誓約書を提出させられたほど。執行部以下、協会内のアレルギー反応は強く、現役時代の素行、品格問題がいまだ尾を引いている。そんな白鵬が票を漁るとすれば、並大抵の“実弾”では済まない。投票する方も破門覚悟で行う必要がある。
「貴の乱」ならぬ「白鵬の乱」は協会を大きく揺るがすことになるのかどうか。