灼熱「夏の甲子園」主催の高野連と朝日新聞社を直撃!球児の“命の危険”をどう受け止めている
「検討の状況はお答えを差し控えさせていただきます」
そこで日刊ゲンダイは、甲子園の大会本部(朝日新聞社、日本高野連主催)に質問状を送った。
<夏の昼間にやる以上、熱中症対策には限界がある。京セラドームでやるべきとの声があるが、どう考えているのか>
<たとえば甲子園と京セラドームの併用を検討しているか。あるいは過去に検討したことがあるのか>
<夏ではなく、秋や冬にやるべきとの世論の声があるがどう受け止めているか>
<極端な話だが、12月1日からのアウトオブシーズン(活動休止期間)を撤廃して冬休みにやるのはどうか>
これらの問いかけに対し、大会本部は去る10日、FAXでこう回答した。
「開催の時期や場所に対する様々なご指摘、ご意見は承知しておりますが、主催者としての検討の状況はお答えを控えさせていただきます」
意見があることは承知しているとしつつも、その意見をどう受け止めているか、どうするべきかということには一切触れられていない。
一方で、クーリングタイムについて、<花巻東の佐々木監督は、「ユニホームを着替えるのも一つの手」と提言したが、現時点で効果の実感と課題は>との質問には、長文で回答がきた。
「クーリングタイムは、実践を踏まえながらより効果的な取り組みとすべく努めています。第1日にクーリングタイム終了後に足をつる選手が散見されたことから、クーリングタイムの冷却中にも足首の上下運動や膝の屈伸と言った関節運動、ストレッチ、グラウンドに戻る前には軽くジャンプをしてふくらはぎをほぐすといった軽運動をするよう、試合前とクーリングタイム中に選手に呼びかける運用を追加しました。試合出場している選手9人に対しては、サーモグラフィーで体表温度をチェックし、体表温度が赤く映る選手は身体冷却を中心とし、赤く映らない選手はスポーツドリンクを積極的に飲むよう促すこともしています」
クーリングタイムの取り組みに関してはよく分かるが、着替えの時間を求めるなどしている現場に対する見解は聞かれなかった。
高野連では、「朝夕2部制」など、新たな開催方式も検討されているといわれるが、高野連と朝日新聞社は今後も、危険な真夏に甲子園で大会を強行するつもりなのか……。