ロッテ3位・木村優人 弱小チームで育った“優男”を変えたU18野球W杯の収穫
木村優人(ロッテ3位・投手・霞ケ浦・18歳)
茨城県土浦市で男3兄弟の末っ子として生まれ育った。
一家の大黒柱・父の信彦さん(48)は4トントラックの運転手をしていたが、長男の翔大さん(24=現在は日本通運でプレー)が生まれる頃に転職。義兄弟が勤めていた空調などの断熱工事を行う会社に就職した。
「ドライバーの仕事は長距離トラックではなく、関東圏内での業務でしたが、就業時間でハードな面もありまして。そんな折に、義兄弟から『一緒にやろう』と誘われたんです。子供との時間が取れるし、妻も賛成してくれました。そこでしばらく勤めていましたが、優人が生まれてくる頃に独立して現在に至ります」
こう話す信彦さんも野球経験者。独立する頃まで草野球に親しみ、3兄弟が入団した斗利出ベアーズではコーチを務めた。
「気が付くと私よりも子供たちの方が野球にのめり込んでいましたね。暇さえあれば家の近所の空き地で練習。ご飯で呼びに行かないと帰ってこないし、食べたらすぐにまた練習、みたいな具合でした」(信彦さん)
木村が入団した当初の斗利出ベアーズは活気があったものの、少子化の波をモロに受けることになる。学年が上がるにつれ、チームメートが減少。入団したばかりの1年生が出場して、やっと試合ができる状態だった。