MLBでは常識ベンチ内タブレット 日本で導入が進まないNPBの“重い腰”…何が障壁か?
しかし、日本では一向にタブレット導入の動きが見られない。日本では球団ごとにデータの収集機器が異なる。巨人、阪神などは「トラックマン」、ヤクルトは「ホークアイ」を採用している。タブレット導入には使用データを統一し、公平性を担保する必要があるという声に加えて、タブレットがサイン盗みなどの伝達行為に悪用される懸念もあるにはある。「障壁があるのは理解していますが……」と、冒頭のデータ担当者が続ける。
「タブレット導入はNPBが音頭を取る必要があるが、NPBはスタッフが少なく、なかなかシステム整備に人員を割けないのも確か。NPBには統一システム導入のための資金力がないのは重々承知していますが、まずは各球団が現状使用しているデータをベンチでも見られるようにしてくれればいい。MLBが絶対的な権限を持つ米国とは違い、日本はあくまで12球団主導。NPBが率先して動くには12球団の協力が不可欠とはいえ、全く動こうとする気配すらないから、みんなアタマを抱えているのです」
データ全盛時代のいま、日本球界のレベルアップの意味でも、タブレット導入のメリットはありそうだが……。
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