「二刀流」を失ったエンゼルスの惨状…資産価値の暴落でオーナー球団売却に現実味
ドジャース大谷翔平(29)の古巣であるエンゼルスはGMの迷走が続いて課題だった投手陣の整備は進まず、主力野手もオープン戦で絶不調など散々な状況。ファンからはオーナーを批判する声や球団の身売りを願う声があふれている。(【前編】からつづく)
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2月に地元紙「オレンジ・カウンティー・レジスター」のインタビューに応じたモレノ・オーナーは昨年1月に一度は撤回した球団の身売りについて「チームの売却を再検討する予定はまったくない」と否定しながらも、「ビジネスを最優先に考えているだけに、決断しなければならないだろう」と含みを持たせた。
要するに大谷流出で資産価値が暴落した球団を、破格値で買うオファーがあれば、身売りも辞さないということだ。
野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏がこう言う。
「“大谷ロス”はエンゼルスにとってビジネス面で深刻な悪化をもたらすのは明らかです。大谷が右肘と右脇腹を痛めて欠場した昨季終盤は不入りが続き、ポストシーズン進出が絶望的になったこともあり、チケットのリセールサイトでは1枚2ドル(約300円)で売りに出ている座席もありました。仮に今季も低迷し、10年連続でポストシーズン進出を逃せば、大谷の引き留めに失敗したことも含めて愛想を尽かすファンがますます増えるでしょう。エンゼルス戦の中継局バリースポーツ・ウエストの親会社が破産し、今後の放映権料収入も不透明な状況です。モレノ・オーナーは決断を迫られ、トラウトがいるうちに身売りに動く可能性もあります」