最後のドラ1炭谷銀仁朗の母親の隣で“一般人のフリ”して何度か一緒に試合観戦…親とは極力接触しない理由
「あの時いらっしゃったのは、鈴木さんだったの?」
自ら担当し、平安高(現・龍谷大平安高)から2005年高校生ドラフト1巡目指名した炭谷銀仁朗の母親は、こう言って驚いたという。
「たしか西京極球場だったですね。平安の試合を一般人のフリをして何度かお母さんの隣に座って一緒に見たんです(笑)。『いい選手ですねえ』なんて雑談しながら。お母さんはソフトボール経験があって捕手をしていたそうですから、炭谷は母親譲りなんでしょうね。スカウトとしては両親の性格も気になるじゃないですか。お母さんもまさか私がスカウトとは知らんもんだから、指名後に会って驚いてました。ちなみにお父さんも平安出身で、原田英彦監督と同級生。高校3年の時に応援団長をしていた」
36歳の今も西武でマスクをかぶる炭谷は、鈴木のスカウト人生で最後の1位指名選手。強肩強打の捕手として複数の球団がドラフト候補にリストアップしていた。
鈴木は試合はチェックしたが、指名するまでスカウトとして両親とは接触せず、学校にも練習を見に行かなかった。