新生ラグビー日本に「ファンタジスタ山沢拓也」という希望 大敗イングランド戦で大歓声浴びる
つまり、両チームとも、27年に開催されるW杯オーストラリア大会を見据えた長い準備の、いわば第一段階。ファンも、それを織り込んでいたから殺伐とした空気にならなかったのだ。
負傷者が相次いだことも手伝って、日本のメンバーは大幅に若返った。
昨年9月のW杯フランス大会・イングランド戦(12対34)に出場したメンバーは、控えも含めた23名中、キャプテンのFLリーチ マイケル、LOワーナー・ディアンズ、SH斎藤直人、SO松田力也、CTB長田智希、WTBジョネ・ナイカブラの6名だけ。スクラム最前列のフロントロー3人に至っては、イングランドの先発メンバーが合計207キャップと百戦錬磨のベテランを揃えたのに対して、日本は3人合計で3キャップ。経験値には圧倒的な差があった。
それでも、立ち上がりに3対0とリードした日本が、攻める方向を巧みに変え、背後のスペースにキックを落として“超速”を予感させるアタック仕掛けると、4万4千人を超える観客は、その可能性に反応して大いに沸いた。懸念されたスクラムも、イングランドから反則を誘うなど、若いフロントローが、それなりに健闘した。