数字で知る「競馬と経済」 新1万円札に描かれた渋沢栄一とも関係あり?
騎手の稼ぎは
騎手はどれぐらい稼ぐのか。
東関東馬事高等学院のホームページに「騎手のお給料って!?」があった。そこには、「JRA騎手の年間の報酬は、2000万円以下が騎手全体の2割程度。2000万~6000万円が全体の6割程度、さらに、6000万円以上というのも、全体の2割という割合になっています」とある。
中央競馬の賞金は本賞(1~5着)や出走奨励金(6~9着)など細かく分かれている。基本的には賞金の80%が馬主で、20%を調教師や騎手、厩務員が受け取る。調教師が10%、厩務員5%、騎手5%(障害レースは7%)が一般的。騎手によっては億単位の年収もあり得る。
JRAホームページにある24年度リーディングジョッキー(6月30日時点)を見ると、トップはC・ルメールで総賞金は16億2892万円。このうち5%が騎手の収入になるとすれば、今年はすでに8144万円を稼いだ計算だ。
■電話、ネット投票が80%強
競馬場の入場者数(開催場入場人員)は増加傾向を見せる。コロナ禍だった20年、21年は年間100万人を割り込んだが、22年279万人、23年462万人と復活しつつある。ただ1970年代前半や90年代半ばは1400万人を超えていた。
売得金の構成比(23年度)は開催競馬場が2.7%、場外馬券場のウインズが10.4%。最も買われている“場所”は電話・インターネット投票の82.6%だ。
「スマホで手軽に購入する若い層が増えているのでしょう。競馬場に足を運び、パドックをじっくり見て……という馬好きは減少しているのかもしれません」(前出の中西文行氏)
売得金の推移を見ると、トウショウボーイやテンポイント、グリーングラスが活躍した70年代後半に初めて1兆円を超えた。2兆円突破は昭和から平成に変わる直前の88年でオグリキャップが有馬記念を勝った。3兆円超えはそこからわずか2年後の90年。96年の有馬記念は1レースとして最高額の875億円超を売り上げた。97年に売得金は4兆円超えを記録、年度代表馬はエアグルーヴだった。
そこから低迷期に入ったが、この数年はすっかり抜け出しつつある。
ネット投票もいいけど、競馬場に行って生の迫力を味わいたい。