阪神藤川監督の就任会見「言語明瞭、意味不明瞭」だった“特殊事情”…虎ファンが感じた心の揺れ
阪神はそういう特殊な球団です。現段階では言えないことも多い。仮にこれが落合博満なら、『今話せることはない、以上』で片づけてしまうかもしれない。しかし、阪神の大スターでファンから愛されるベビーフェイスの球児にそれはできない。
まだ船出前という制約がある中で、集まった記者とその後ろのファンを満足させるにはどうすればいいか。考えた結果、会見では言葉の中身や質ではなく、時間的な厚みでサービスしたのではないか。阪神というチームの特殊性と自身がスター枠監督であることを自覚しているからこそ、ああいう会見になったのだと思う。解説者としての球児は、明朗で分かり易いとの評価を得ていたわけですから」
長々と続いた会見で、山田氏は藤川監督の心の揺れを感じた部分があったという。
「指導者経験のなさを質問されたときです。球児は何度も『関係ない』と繰り返した。しかし、その理由は言わず、ごまかし、はぐらかし、『関係ない』で押し切った。あの日の会見の中で最も答えが不明瞭でした。人間は動揺したとき、論理が破綻するものです。指導者経験については、本人も不安に感じているのだと受け止めました」