「世界の航空機 大図鑑」フィリップ・ホワイトマン総監修 中川泉、竹田純子訳
1930年代には回転翼機=ヘリコプターの完成を目指し次々と試作機が造られた。
そして戦後、ジェットエンジンなどが登場すると、飛行機は音速を軽々と超え、1953年にはアメリカの「ダグラスD-558-2 スカイロケット」がマッハ2の速度を出すことに成功する。
各国で競うように製造された飛行機の実物や復元機832機の写真を網羅。先の「ブレリオⅪ」をはじめ、旅客機時代の幕を開けた「ダグラスDC-2」や、史上最も有名な航空機ともいわれる戦闘機「スーパーマリン・スピットファイア」、そして最新鋭の「ユーロファイター・タイフーン」まで、時代を象徴する名機はページを割いて、コックピットなど細部まで紹介。
また、1910年代に40種を超える航空機を設計製造した「ソッピース」から、航空機設計の限界に挑みステルス爆撃機を生み出した「ノースロップ」、各航空機メーカーとそれを立ち上げた人物たちのヒューマンストーリーまで。さらに飛行中の飛行機の翼を歩くなどのパフォーマンスで人々の度肝を抜いた女性リリアン・ボイヤーや、女性で初めて大西洋横断を成し遂げたアメリア・イアハートなど、航空史に残るさまざまな人物たちのドラマなどにも触れ、読み物としても秀逸。