箱の設計に“王道”なし
第3~5部では、立方体の箱から出発し、さまざまな変形方法や発展法が秩序だてて説明される。第6部では捩じれたり、傾いたり、蛇腹のように伸び縮みしたり、曲線を用いたりと、美しくも楽しいバリエーションの数々が披露されている。
本書が一貫して読者に求めるのは、各プロセスを地道に体験すること。徹底的に基礎を学ぶこと。創造的な「箱」作品はその応用から生まれる、とは著者の弁。古代ギリシャの数学者、ユークリッドの言葉「幾何学に王道なし」が脳裏に浮かぶ。何事も「カタチから入るタイプ」で、手作りマニアなあなたにオススメの指南書である。(ビー・エヌ・エヌ新社 2500円+税)