「脱税の世界史」大村大次郎著

公開日: 更新日:

 国家は税金が徴収されて初めて成り立つ。古代ギリシャは、世界で現在使用されている税制度の仕組みをすでに整えていたといい、大英帝国が7つの海を制したのも統計学を駆使した合理的な税制度をつくったからだ。

 そして、税金という存在には必ず「脱税」がつきまとう。中国・秦の時代の古文書にも脱税に関する罰則が記されているほどだ。

 脱税がはびこり、税システムがうまく機能しなくなると、革命や国家崩壊などの大きな社会変動が起きる。

 徴税請負人の不正がはびこる一方、税を免除された特権階級の肥大化で国家が破綻したローマ帝国や、イギリス政府による北米植民地の密輸業者=脱税業者への対抗策が引き金となったアメリカ独立戦争など。

 税の視点から世界史を振り返る歴史読み物。

(宝島社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  4. 4

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議