【トルティーヤ】中南米の伝統的なパンは食物繊維が豊富で腸内の善玉菌を増やす
トルティーヤは、メキシコを中心とする中南米で古くから食べられている薄焼きのパンで、トウモロコシ粉(マサ)や小麦粉を原料とします。語源はスペイン語の「torta(丸いケーキ)」に由来し、スペイン人の征服以前からアステカ文明やマヤ文明で主食として食べられていました。 特にトウモロコシのトルティーヤは、ニシュタマリゼーションと呼ばれる伝統的な製法で作られます。
これは、トウモロコシの外側の皮がそのままでは消化が難しく、ニコチン酸(ナイアシンの一種)の栄養吸収が不十分になってしまう可能性があるためです。
ナイアシン(ビタミンB³)が欠乏するとペラグラという病気になりやすいため、主食ほど大量にトウモロコシを食べる場合にはニシュタマリゼーション処理が必要になるのですね。実際、スペイン人がアメリカ大陸からトウモロコシを持ち帰った際に、この処理を知らずに食べたため、ヨーロッパでペラグラが多発した歴史もあります。
そんなトルティーヤは原料によって健康効果が異なりますが、トウモロコシのトルティーヤは、食物繊維、ビタミンB群、マグネシウム、ポリフェノールを含み、血糖値の急激な上昇を抑え、腸内環境を整える効果が期待されています。特にニシュタマリゼーション処理後は、カルシウムの含有量も増加するため、骨粗しょう症の予防や骨の健康維持に役立つ可能性も。また、小麦粉のトルティーヤにはトウモロコシよりも鉄が多く含まれるため、特に貧血予防に効果的で、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取すると吸収率が向上しますよ!