著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【トルティーヤ】中南米の伝統的なパンは食物繊維が豊富で腸内の善玉菌を増やす

公開日: 更新日:

 トルティーヤは、メキシコを中心とする中南米で古くから食べられている薄焼きのパンで、トウモロコシ粉(マサ)や小麦粉を原料とします。語源はスペイン語の「torta(丸いケーキ)」に由来し、スペイン人の征服以前からアステカ文明やマヤ文明で主食として食べられていました。 特にトウモロコシのトルティーヤは、ニシュタマリゼーションと呼ばれる伝統的な製法で作られます。

 これは、トウモロコシの外側の皮がそのままでは消化が難しく、ニコチン酸(ナイアシンの一種)の栄養吸収が不十分になってしまう可能性があるためです。

 ナイアシン(ビタミンB³)が欠乏するとペラグラという病気になりやすいため、主食ほど大量にトウモロコシを食べる場合にはニシュタマリゼーション処理が必要になるのですね。実際、スペイン人がアメリカ大陸からトウモロコシを持ち帰った際に、この処理を知らずに食べたため、ヨーロッパでペラグラが多発した歴史もあります。

 そんなトルティーヤは原料によって健康効果が異なりますが、トウモロコシのトルティーヤは、食物繊維、ビタミンB群、マグネシウム、ポリフェノールを含み、血糖値の急激な上昇を抑え、腸内環境を整える効果が期待されています。特にニシュタマリゼーション処理後は、カルシウムの含有量も増加するため、骨粗しょう症の予防や骨の健康維持に役立つ可能性も。また、小麦粉のトルティーヤにはトウモロコシよりも鉄が多く含まれるため、特に貧血予防に効果的で、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取すると吸収率が向上しますよ!

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ