「此の世の果ての殺人」荒木あかね著
太宰府自動車学校で教習を受けている小春は、イサガワ先生の山道教習を受けているとき、首吊り死体に遭遇した。小惑星「テロス」が2023年3月7日に熊本県阿蘇郡に衝突するというニュースが配信されてから、自殺者が増えているのだ。母は突然、失踪し、ふぬけのようになった父は一昨日、自殺した。アジアやオセアニアの住民は南アメリカ大陸に移動を開始した。九州電力が撤退したため停電が続き、やがてガスや水道も止まった。初めての高速教習の日、28番の車を使おうとして異臭に気づいた。トランクの中に、見知らぬ女性の刺殺死体が。もうすぐみんな死ぬのに、なぜ……。
第68回江戸川乱歩賞受賞作。 (講談社 1815円)