「アンソロジー 死神」東雅夫編
「アンソロジー 死神」東雅夫編
人々に死を告げ、冥界へといざなう死神をテーマにした作品を編んだ傑作集。
巻頭は水木しげるが、作家の三島由紀夫の自決直後に発表したコミック「死神のささやき」。世の中が三島の死にいつまでも動揺し続けることを危惧した老人が、三島の霊魂がいまだにさまよっているのではないかと、現代のカミ「コケカ」さまに会いに行く。老人の悩みを聞いたコケカは、死神が仕事をサボっているのではないかと疑い、亡者の国へ行き、死神の悪だくみに気づくというストーリーだ。
ほかにも、三遊亭円朝と三遊亭金馬(2代目)による落語「死神」や、柳家小三治による新旧の「死神」、その原典となったグリム童話「死神の名づけ親」、武者小路実篤著「死神と少女」など、時代やジャンルを超えた11作品を収録。
(KADOKAWA 1144円)