「新しい封建制がやってくる」ジョエル・コトキン著 中野剛志解説 寺下滝郎訳

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「新しい封建制がやってくる」ジョエル・コトキン著 中野剛志解説 寺下滝郎訳

 アメリカその他の国で、かつてのようなカトリック教会や領主、騎士などによる封建制ではなく、新しい貴族制が出現している。脱工業経済下で、限られた層に富が集中して社会の階層化が進み、今では社会的上昇の機会はあまりない。

 新しいヒエラルキーで第1身分にあたるのは思想的リーダーや弁護士などの「有識者」である。第2身分はテック富裕層が率いる「新しい貴族階級」、第3身分はそれ以外の中小企業経営者、民間の専門技術者など。そんな新しい封建制に抵抗する鍵を握っているのは、「多数の政治的に活発な都市住民階級」である。

 21世紀の「デジタル農奴」にならないために必読の一冊。

(東洋経済新報社 2200円)

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