春画鑑賞がもっと楽しくなる本特集

公開日: 更新日:

「春画」早川聞多著

 日本美術と江戸文化に精通した著者が、独自の切り口で計123点の名画を解説。「人生編」と「四季編」に分けたのが秀逸。人生編では登場人物の年齢で幼少期から老年期に分け、一枚の春画が描き出す生ぐさい人間ドラマを教えてくれる。四季編では描写に隠された淫靡(いんび)さと、風情ある季節の移ろいを示唆。江戸かな文字で書かれた詞書(ことばがき)を現代語に訳してあるため、交わりの濃密な擬音や喘ぎ声に至るまで精細な描写を味わうことができる。わいせつさに目くじらを立てるのではなく、ほほ笑ましく人の営みをめでる、という趣旨が伝わってくる良書だ。(すばる舎リンケージ 2200円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出