良質作品が目白押し ミニシアターで楽しむ“大人の夏休み”
今年上半期、昨年と比べて何と31%も興収が上がった劇場もある。邦画専門のミニシアター、テアトル新宿だ。乱交を描いた群像劇の「愛の渦」や、人気俳優の綾野剛や個性派の池脇千鶴らの力演が目立った「そこのみにて光輝く」などが高稼働したためだ。
現在の上映作品は今年のカンヌ国際映画祭で話題になった河瀬直美監督の「2つ目の窓」(写真㊨)で、これも健闘。上半期の勢いが持続している。
老舗の岩波ホールでは現在、「大いなる沈黙へ─グランド・シャルトルーズ修道院」(同㊧)が大ヒットだ。上映時間は何と3時間近いが、連日、ほぼ満席状態が続く。フランスのアルプスふもとにある修道院が舞台。そこの修道士たちの厳格な日常を追ったドキュメンタリーである。
公開当初は、キリスト教関係の観客が多かったが、日を追うごとに口コミで広がり、一般の女性や学生も増えた。8月22日までの上映だが、余力を残しているので、その後は新宿武蔵野館に移る。
その新宿武蔵野館も上半期は昨年と比べて興収8%増と好調だ。現在は先週から公開された「クィーン・オブ・ベルサイユ~大富豪の華麗なる転落」が初日から2日間で1000人を超える大入りとなっている。続映中のウディ・アレン出演「ジゴロ・イン・ニューヨーク」も健闘している。