大学で教鞭とる映画監督・大森一樹氏 “映画青年”の激減嘆く
去年、「私の男」でモスクワ国際映画祭最優秀作品賞を受賞した熊切和嘉監督や、「そこのみにて光輝く」で第38回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞を受賞した呉美保監督も出身者だ。
「でも、今の学生には“映画青年”はほとんどいない。ボクの作品も見てないんじゃないですか。『ヒポクラテスたち』を授業でやって、直々にボクが話をするのに、出席者はポロポロしかいませんからね。市民ホールとかでやったらいっぱいになるのに。むしろ、学生たちのお父さんお母さんが、オープンキャンパスをやると、緊張してゴジラ映画のパンフレットを持って、“サインしてください”って来たりします、ハハハ」
監督はもう新しい映画は撮らないの?
「撮ってますよ。昔、一緒に仕事したプロデューサーから話があって、『ベトナムの風に吹かれて』という日本とベトナムの合作作品を撮りました。3月に編集を終え、9月から新潟で先行ロードショーが始まります。認知症のお母さんをベトナムで介護する実話にもとづいた話で、松坂慶子さんが主演です。『津軽百年食堂』以来、4年ぶりになりますか」