NHKネット常時同時配信で 苦境のローカル局が再編へ秒読み
TBS系列の場合、東京放送HDの他に、大阪の毎日放送、名古屋の中部日本放送、福岡のRKB毎日放送がHD制を採用している。認定放送持株会社は、地方局を最大5局まで傘下に置くことができる。北海道、仙台、広島の基幹局は独り立ちしているので、問題は他の系列局だ。
そこで東京が東北、名古屋が北陸・甲信越、大阪が中四国、福岡が九州・沖縄をカバーすれば、ほぼ現行の系列を維持できることになる。いわば水平統合だ。
総務省や自民党では、他に道県ごとに2つぐらいの局に垂直統合し、最終的に災害や事件、事故の取材・報道機能だけを残すローカル局の“支局化”案などが検討されているという。
地方では“何かあったらNHK、何もなくても時計代わりのNHK”という視聴者が多いだけに、NHKと張り合うだけのお金がないローカル局は、ネット常時同時配信の影響を固唾(かたず)をのんで見守っている。
笑う局、沈む局がはっきりする時期が近づいている。
(ジャーナリスト・小田桐誠)