著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

ひとつだけ、音楽と同じくらい大切にしてきたものがある。

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 ひとつだけ、音楽と同じくらい大切にしてきたものがある。それは〈音楽のような時間〉。「時間」は「自由」と言い換えてもいい。こればかりはなりゆきまかせとはいかない。自覚的な行動と自発的な言葉なしには実現も維持もむずかしい。スマートな生活者とは到底呼びがたいぼくは、そのむずかしさに気づくのに長い時間を要したけれど。

 2022年9月から続けてきた本連載は、そんな気づきを自分なりの表現で実況するものに他ならない。この連載に福岡RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言等を加え、新たに多くを書き下ろした本を来週11日に上梓する。書名は『おれの歌を止めるな』。ぼくが滅多に使うことのない一人称「おれ」をタイトルに入れた意図は、実際に同書を手に取って確かめていただきたい。

 以上、初夢に思うことと、それと地続きの新著について。そして今日、ぼくは56歳になった。

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