鍛えて酒が強くなった人ほど危ない…急に“千鳥足”その元凶は?
「問題は、アルコールを分解する肝臓の能力は30代をピークに徐々に落ちていくことです。多くの人はそれを自覚していないため、たまにお酒を飲むと急にお酒に弱くなったと感じるのです」
では、加齢以外の原因で急に酒が弱くなることはないのか?
「人間の体のなかでアルコールを代謝する酵素はADH(アルコール脱水素酵素)とMEOS(ミクロソームエタノール酸化系酵素)の2つ。MEOSは本来、薬の代謝に使われますが、お酒を飲み続けている人はADHで処理しきれないアルコールも代謝するようになります」
“下戸だったのに鍛えてお酒が強くなった”という人がこのタイプだ。
しかし、こういう人が薬を飲むと危ない。MEOSは本来の仕事である薬の代謝に回り、アルコールの血中濃度が高止まりしてすぐに酔っぱらうからだ。
<心あたりがある人は気は要注意>
「風邪薬や鎮痛剤がこのパターンです。睡眠薬や安定剤はアルコールが加わることで薬効が強く出て、より早く酔っぱらった状態になったり記憶が飛んだりします。抗うつ剤を飲んでいる人もお酒を飲んではいけません。アルコールは中枢神経を抑制する作用があるのでお酒をたくさん飲む人はそれだけでうつの原因になります。うつの治療のために抗うつ薬を飲み始めたら、お酒をやめなければ効果は出ません」