2週間といわれるが…「突発性難聴」治療開始のリミット
「一般的に治療開始のリミットは、難聴を自覚してから2週間。しかし、治療開始は早いほどいい。突発性難聴は、3分の1が治療しなくても治り、3分の1が治療したら治り、3分の1が治療しても治らない、といわれています。〈治らない3分の1〉に入らないように、耳の聞こえの悪さが1日続いたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診すべきです」
まず、聴力テストが行われる。場合によっては、MRIやCTで内耳を調べる。突発性難聴と診断されたら、ステロイド薬投与を中心とした治療が開始される。さらに、漢方薬や神経を修復するビタミンBなどがプラスされることもある。
■低音障害型感音難聴は水分摂取が予防策
ここで、もうひとつ頭に入れておかなくてはならないのが、耳の聞こえの悪さが「低音障害型感音難聴」によるものなら、治療で治る確率がもっと高くなるということだ。
「低音障害型感音難聴は低音が特に聞こえにくくなる疾患で、かつては突発性難聴とひとくくりにされていました。しかし、原因不明の突発性難聴と違い、低音障害型感音難聴は、内耳の中の内リンパ液が多くなりすぎて、内リンパを入れている袋の内リンパ腔が水ぶくれ(水腫)になるのが原因だと分かったのです」