めまい、耳鳴りを招く「顎関節症」 楽器の長時間練習に要注意

公開日: 更新日:

「吹奏楽部の強豪校で、熱い学園生活を過ごしてもらいたい」――。中学・高校の受験シーズンを終え、わが子の新生活に思いを馳せる人も多いのではないか。しかし、中高生の吹奏楽部員は練習のし過ぎには注意が必要だ。顎を壊し、将来めまいや耳鳴りなどに悩まされかねない。

 全国でも有数の吹奏楽激戦区といわれる兵庫県。名門中学の吹奏楽部に所属する女生徒が顎の痛みを訴え、兵庫医科大学の顎関節症外来を訪れたのは数年前のことだ。

「口を大きく開けようとすると痛い、というのです。担当はクラリネット。診ると典型的な顎関節症でした」(兵庫医科大学歯科口腔外科学講座の本田公亮教授)

 顎関節症とは顎の関節の異常により「顎が痛い」「顎が鳴る」「口が開きにくい」などを主な症状とする包括的疾患のこと。顎関節症により咀嚼筋の過度な緊張や顎関節の異常が起き、三叉神経が刺激され、めまいや耳鳴り、痛みなどが出る場合もある。

「幸いこの女子中学生は練習を休むことで良くなりましたが、他にも部活で管楽器を演奏している中学生が顎関節症状を訴えて当科を受診し、その数が大学生や高校生に比べて特に多いことに気づきました。そこで神戸市内の中学の吹奏楽部で、ほぼ毎日練習している4校を1年間調べたのです」(本田教授)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出