めまい、耳鳴りを招く「顎関節症」 楽器の長時間練習に要注意
その結果、驚くべきことが判明した。管楽器演奏者184人のうち、34.8%に当たる64人が顎関節症だったのだ。
「顎関節症の一般的な有病率は5~12%。明らかに吹奏楽部部員の有病率は高い。そこで詳しく調べてみると、トランペットやトロンボーン、クラリネットなど、息の吹き込み口の小さい楽器演奏者ほど多く、女生徒の占める顎関節症の割合は男生徒の倍近い数字になっていました」(本田教授)
当然のことだが、練習時間が長ければ長いほど顎関節症のリスクは高くなる。
「4校のうち1校は日曜日に練習を休んでいましたが、他の3校は正月など特別な日を除いて基本的に毎日練習していました。練習時間で調べると、1日8時間を超えると有病率が跳ね上がることがわかりました」(本田教授)
■有病率が高いのは木管楽器
気になるのは、どんな楽器が顎関節症になりやすいかだ。
「今回の調査ではリードありの木管楽器の有病率が最も高く、次いでリードなしの木管楽器、マウスピースの小さい金管楽器、マウスピースの大きい金管楽器という順でした」(本田教授)