甘い飲み物で意識が混濁…「夏のダメージ」が突然死招く
「つまり、コーラや缶コーヒーのような糖の多い飲み物を飲みたくなる。その体からの欲求に負けて行動に移すと、危険なのです」
糖を多く含む飲み物は吸収が早く、血糖値が500~1000㎎/dlまで急激に上昇する。
「すると、ケトン体と呼ばれる毒性を持った代謝成分が血液中に発生し、全身のひどい疲労感、腹痛や嘔吐、意識障害などを起こす。昏睡状態に陥って心機能や呼吸機能が著しく低下し、そのまま突然死に至る可能性もある。『ペットボトル症候群』や『ソフトドリンク・ケトーシス』と呼ばれています」
水分摂取は、夏を無事に乗り切るための必須ポイントだが、糖尿病の人は、甘味がついた飲み物は絶対にNGだ。
■エアコンを我慢し脳梗塞に
夏の心筋梗塞、脳梗塞の危険を指摘するのは、東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授だ。
脳梗塞には、脳の動脈が血栓で詰まるラクナ梗塞や、血栓で血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞といった脳動脈の病気によるものと、心臓にできた血栓が脳の太い血管を詰まらせる心原性脳塞栓症がある。