すでに米国で普及 「薬ゼロ・短時間で効果」のうつ病最新治療

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「そもそも神経伝達物質が不足しているというセロトニン説は仮説にすぎず、最近の脳科学では前頭葉の神経ネットワークの異常であるという考えに変わってきています」

 なぜ、前頭葉の機能が落ちるとうつ病になるのか? それは快・不快や好き嫌いといった衝動的な感情をつかさどる「扁桃体」を前頭葉がコントロールしているからだ。

「TMSは磁気の非常に弱い刺激によって、低下した前頭葉の活動性を高め、その機能を戻していくことで、うつを改善していきます。治療は週1~3回ほど行い、症例にもよりますが30回ほど続けることが基本です。薬は一切使わないので安全・安心です」

■薬物療法のリスクが高い10代にも効果

 その治療により治療開始1カ月ほどで、「長年うつ病で苦しみ休職していた男性が職場に復帰した」「寝たきりだった主婦が家事をできるようになった」などの例が出ているという。

「とくに効果が著しいと感じるのは進路や学業で強いストレスを感じている受験期の子供たちです。ある男子高校生は大学受験期間中にTMSを受けた後、集中力を取り戻して志望校に合格しました。また、ストレスでキレやすかった女子中学生は、治療後は穏やかで前向きに過ごせるようになりました」

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