先進的な心臓治療に欠かせない「ハイブリッド手術室」
また、ハイブリッド手術室では外科医が立ち会っているため、不測の事態にも迅速に対応できます。カテーテル治療は挿入中に血管を傷つけたり、心臓内で出血を起こすリスクがゼロではありません。そうしたトラブルが起こってしまっても、外科医にバトンタッチして、すぐに開胸手術に切り替えて対処することができるのです。
ただし、弱点もあります。モニターの画像を確認しているとはいえ直接患部が見えないため、何かトラブルがあったときには、医師が何が起こったかを見極め、起こったトラブルに対して迅速に対応できる能力を持っていないと、深刻な事態を招きかねません。また、血管を撮影するために造影剤を使うので、患者さんの腎臓に負荷がかかってしまいます。
とはいえ、総合的に考えれば、今はハイブリッド手術室が設置されていない施設では、患者さんのニーズに応えることができないといっていいでしょう。
現在、TAVIを受けられる=ハイブリッド手術室相当の設備が整っている病院は、全国で100施設あります。ハイブリッド手術室を設置するには、だいたい1億~3億円ほどの費用がかかるといわれていますが、設置されている病院は、それだけ最新治療に対して前向きな施設と判断することができます。受診前に確認してみてください。