心臓は早朝と夜間に悲鳴を上げる
心筋梗塞や狭心症の発作は、早朝(午前6~8時)と夜間(午後8~10時)に起こりやすいというデータがあります。
目覚めた直後は、交感神経が活発になります。交感神経が優位になると血管が収縮して血液が流れにくくなり、血圧が急上昇します。また、就寝中は体内の水分が失われるため、血液は粘り気があって固まりやすい状態になっています。さらに、普段から高血圧や抗凝固剤などの薬を飲んでいる人の場合は、早朝は薬の効果が切れている時間帯であるケースも多い。こうした要素によって、心臓発作が起こりやすくなるのです。
一方の夜間は、心臓が多くの刺激を受ける時間帯といえます。残業で疲労やストレスがたまったり、アルコールを飲んだり、気温が急激に下がったり……。こうしたさまざまな変化による刺激によって、心臓の負担が増えると考えられます。
心筋梗塞や狭心症の発作は、急に胸が締め付けられるように苦しくなったり、息苦しくなったりするのが特徴です。胸だけでなく、背中や腕に強い痛みを感じる人もいます。心筋梗塞は、放置していると心不全になって心臓のポンプ機能が停止し、死に至るケースもあります。すぐに医療機関を受診することが大事に至らない秘訣ですが、気分不快があるときは血圧が低下してショック状態になる前兆の場合が多いので、躊躇せずに119番通報して救急車を呼びましょう。