心臓は早朝と夜間に悲鳴を上げる
もっとも、そうした日内変動によって発作を起こし、救急診療を受けなければいけないような人の心臓は、かなり悪化した状態であるといえます。本人が気づいていないだけで、実は普段から、「健康な人と比べて脈拍が1分間で10回以上も速かった」「何度も立ちくらみを起こしていた」「動いた後に痛みや息が詰まる感覚があったのに、少し休めば治ってしまい、その後は症状が出ないから放置していた」……といったような形で、典型的な心臓病の症状があることも多いのです。
ただ、そうした自覚症状は継続的に出現するわけではないケースも多いため、まさか心臓からきている症状だとは思わない人がほとんどです。多くの人に「心臓というのは常に動いている臓器だから、いったん心臓疾患の症状が出たらどんどん悪化していくもの」という固定観念があるからでしょう。しかし、決してそうではないのです。
■単独のトラブルには強い臓器だが…
心臓は生命を維持するためになくてはならない臓器で、休むことなく動き続けています。止まってしまうと、血液の流れや細胞の動きも停止して生きていくことができなくなります。それほど重要な臓器だからこそ、余裕があってトラブルに強くできているのです。