著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

味噌汁の摂取は血圧に悪いのか

公開日: 更新日:

血圧が高い人は、塩分を控えたほうがよい」と言われることも多いのではないでしょうか。一方で、日本人にとって主要な塩分摂取の要因は味噌汁でしょう。

 一般的には塩分が濃いと思われている味噌汁を毎日食べることは、高血圧の人にはよくない生活習慣という印象があります。

 そんな中、日本人を対象に、味噌汁を食べる頻度と血圧の関連を検討した研究が日本内科学会誌(英文誌)2017年1月号に掲載されました。

 この研究は、病院で健康診断を受けた50~81歳の527人(平均60.4歳)を対象としたアンケート調査です。味噌汁の摂取頻度が週に「1杯未満」「4杯未満」「7杯未満」「7杯以上」の4グループで被験者を分類し、各グループ間で血圧の値を比較検討しました。さらに、味噌汁の摂取と高血圧の発生率に関しても検討されました。なお、解析に当たっては、結果に影響を与え得る、年齢、性別、高血圧治療状態、喫煙習慣などの因子で統計的に補正しています。

 その結果、味噌汁の摂取頻度と血圧に関連性は認められませんでした。収縮期血圧(上の血圧、単位はmmHg)は週に1杯未満で130.5、週に4杯未満で131.2、週に7杯未満で129.9、週に7杯以上で126.7と、各グループ間で統計学的にも明確な差はありません。さらに、味噌汁の摂取と高血圧の発生率にも関連性は認められませんでした。

 アンケート調査であり、因果関係を検討するような研究ではないため、味噌汁を食べる習慣と血圧上昇に何ら関係がないと結論付けることもできません。ただ、適度な摂取においては、味噌汁が血圧の上昇に大きな影響を与えない可能性はあるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  3. 3

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  4. 4

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 5

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    なぜ姉妹曲「2億4千万の瞳」と売り上げで3倍もの差がついてしまったのか

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  4. 9

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  5. 10

    高石あかりって誰?→「御上先生」で知名度爆上がり 次の次の朝ドラヒロインの魅力は「アポロの歌」でも“予習”可能