たった1滴の唾液検査で膵臓がんの早期発見が可能になる

公開日: 更新日:

がん遺伝子やタンパク質の研究をやっていましたが、お金も手間もかかって実際、臨床現場には応用できませんでした。それで、簡単に採取できてコストもかからない体の代謝物質に目をつけたのです。慶応大の杉本昌弘先生と研究を始めたところ、唾液中からのものが最もきれいに解析でき、膵臓がんの診断に使える代謝物質が発見できたのです。偶然の発見で目からウロコでした」

 唾液検査は、プラスチックのチューブ容器にストローを使って唾液を1滴(0.2~0.4㏄)垂らすだけ。それをマイナス80度で保管し、山形県鶴岡市にあるサリバテック社の研究所衛生検査所に送って解析をする。

「調べるのはポリアミン類という代謝物質で、がん細胞が増殖するときに必要となる物質です。膵臓がんでは『スペルミン』と『スペルミジン』という物質が重要な働きをしていて、3つの物質の濃度などを総合的に多変量解析します」

 検査の結果は0~1の間の数値で表示され、健常者の平均値は0.17で、膵臓がん患者の平均値0.81に近いほどがんの疑いが強くなる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さま進路先めぐる情報「根拠ない」は本当か? 秋篠宮家側近の“あやふやな説明”

  2. 2

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  3. 3

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  4. 4

    K-POPライブ供給過多のシワ寄せ…赤字イベント増える日本でプロモーターが稼ぎたがるワケ

  5. 5

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  1. 6

    紀子さま《思い悩む》58歳誕生日で苦悩告白…悠仁さま“東大合格”で待ち受けるさらなる風当たり

  2. 7

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    高市早苗が総裁選で猛追!「選挙の神様」が陣営に加勢 都知事選で石丸伸二を2位に押し上げたプランナー