「病気じゃない」が蔓延…便秘を今度こそきちんと治す

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 種々の検査なしで、前出の酸化マグネシウムや刺激性下剤を処方する医師も珍しくない。

「いずれにしろ、便秘の説明はなく、患者さんは便秘によるつらさを抱えたまま。医師の対応に不満を感じ、自己流で対処するようになる。市販の便秘薬の多くは、耐性、習慣性、依存性が生じやすく、量が増え、自力排便が困難になるのです」

■日本は特異な治療状況

 一方、欧米をはじめ海外では対応が違う。便秘によるつらさを解消するための食事指導や適切な投薬治療が行われ、すぐに大腸内視鏡検査などは行わない(大腸がんのリスクが高い年代は例外)。便秘やそれに関連した症状を無視し、放置するなんて論外だという。

「海外ではエビデンスレベルの高い慢性便秘治療薬も多数認可されているので、症状に応じてはそれらを用います」

 慢性便秘の治療薬は「運動促進」「選択的セロトニン受容体刺激薬」「分泌型」の3タイプに分かれ、多種類ある。しかし、日本で現在、承認されているのは分泌型の2種類だけ。このうち1種類は3月に承認されたばかりの新薬だが、海外ではすでに30カ国で承認されている。しかも、日本では現在のところ、便秘のうち「過敏性腸症候群の便秘型に該当するもの」が対象だ。

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