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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

移転後の愛育会の決算 人件費率は高めで赤字だが安泰

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 とはいえ赤字の裏には、それなりの仕掛けがあるのです。社会福祉法人の施設等の建設費・整備費の大半は、法律により国や都の補助金で賄われることになっているのです。愛育会も病院移転等で多額の補助金をもらったはずです。

 建物等は経年劣化があるため「減価償却費」を費用として計上する必要があります。ただし、補助金で得た施設の減価償却費は「国庫補助金等特別積立金」と呼ばれる、別立ての項目で計上する決まりになっています。その額が2014年度に30.4億円、2015年度にも2.5億円ありました。

■手元キャッシュは潤沢

 この金額はあくまでも帳簿上の数字であって、費用として実際に外に出ていくものではありません。したがって2014年度決算は、実質的には差し引き9.2億円の黒字、2015年度は2.8億円の赤字だったことになるのです。手元キャッシュも潤沢で、愛育病院は当面は安泰と言えそうです。

 しかし、長期的には少子化の影響で出生数は減る一方。「集客数」を減らさずに、さらなるブランド化で「客単価」を上げるなどの対策を講じない限り、早晩経営が苦しくなっていくはずです。

【連載】決算書でわかる有名病院のフトコロ事情

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