入浴より安全で体にもいい サウナの誤解と正しい楽しみ方
現時点で、この治療法は保険適用されていないがそれには理由がある。
「高度先進医療に指定された期間内に診た患者さんは拡大した心臓が縮小し、歩行速度が上がるなどの多くの効果が確認できたのですが、心不全を診断するための指標であるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は薬で治療した群と比べて有意差が出なかった。患者さんが重症者だったこと、患者数も1人10回の治療回数も少なすぎたことも原因と考えています」
その後、海外の医療機関が行ったサブ解析で多くの優位性が指摘されたことから複数の医学会の推薦による保険収載の動きがあるという。
ちなみにサウナは入浴と同じ医療効果があるが水圧がないぶん心臓負担が少なく安全だという。
「サウナについては医療関係者でさえ誤解している点があります。例えば『サウナに入ると血管が拡張して血圧が下がる。それを解消しようと心臓の負担が増えるが、脳への血流が悪くなって倒れる』という論調です」
実際は血管が拡張して血圧が下がっても、血管抵抗性がなくなったぶん心臓の負担は減り、脳を含め血流は改善して健康な人なら倒れることはないという。