注射の痛みを和らげるパッチ登場 “チクリ”我慢には弊害が
つまり、痛みや恐怖は「その場限りの問題・やり過ごせる問題」ではない。その体験がもとになって、痛みを感じる閾値(反応する値)が低くなり、ほかの人はやり過ごせるような痛みでも「痛い、怖い」と感じるようになるのだ。
外用局所麻酔剤は、パッチ、クリームどちらも、効果が出るのは使用して1時間後。混みあっている外来では「今からパッチを使うので1時間待ってください」なんていうのは現実的ではない。注射やワクチン接種など予定している処置がある場合は、事前に病院に問い合わせて外用局所麻酔剤を手に入れ、1時間前から貼っておく(塗っておく)のも一つの方法だ。
なお副作用については、注射針の疼痛緩和の臨床試験で、パッチを貼った部位が一時的に白くなったり赤くなったりする皮膚症状のみだった。重篤な副作用は国内の臨床試験では認められていない。エムラクリームも海外で32年間使われているが、意識障害1例、振戦8例などが報告されているに過ぎない。また、エムラクリームとエムラパッチは、リドカインとプロピトカインという2つの局所麻酔薬の合剤であるため、それぞれにアレルギーのある場合は使えない。