身近な山も要注意 登山前に受けるべき検査を山岳医に聞く
では、どんな対策をすべきか?
高所登山や高所旅行をする人向けに、登山者検診ネットワークに参加している医療機関が実施する「登山者検診」がある。身長、体重、腹囲、血圧、心電図、胸部レントゲン写真、呼吸機能検査、血液検査、尿検査に加え、今までの登山歴、日常の運動量などの結果から、登山医学会会員医師が高所登山・高所旅行の危険度を判定する。
ただし、登山者検診の費用は医療機関によって異なるが2万円前後で保険適用外。そこで橋本院長は、高所登山をする人に限らず、すべての登山者に、まずは自治体が行う健康診断を受けることを勧める。
「血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロール値など動脈硬化に関連する数値をチェックしてください。異常値があればまずそれらの治療を優先し、コントロールがついたら、どれくらいの強度の運動が可能かを医師に相談してください。いびきをかく人は、睡眠時無呼吸症候群の有無も調べておくとよいでしょう」
高血圧、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を抱えている人は、登山スケジュールによっては薬の飲み方を工夫しなければならないこともあるので、主治医に確認を。