熱中症対策で水中毒の危険も…正しい水分の取り方とは
【Q】「熱中症対策には十分な水分摂取」と聞きますが、一方で「大量に水を飲むと“水中毒”を招き危ない」という声も。どんな飲み方がベターなのでしょうか? (30代・男性)
【A】人間の体が一度に吸収できる水の量は、200ミリリットル程度といわれています。それ以上の水を一気に飲むと、腎臓の排泄処理が追いつかず、体液が薄まる恐れがあります。そうして血液のナトリウム濃度が低下した状態が「水中毒」。医学的には「低ナトリウム血症」です。
水中毒の症状は、軽度では頭痛や食欲不振など。重症になると、けいれんや昏睡が起こり、さらには死に至ります。腎臓の状態によっては、200ミリリットル以下でも水中毒に陥ります。水はコップ1杯でも一気飲みはやめて、一口ずつ飲むようにしましょう。
ただし、スポーツなどで大量の汗をかいた時は、即行で水分補給をする必要があります。そういう時は、市販の経口補水液が役立ちます。
経口補水液は、スポーツドリンクよりナトリウム濃度が数倍高く、ナトリウムと水分を同時に補給できます。重度の脱水症状でスポーツドリンクを大量に摂取すると、特に乳幼児は低ナトリウム血症に陥る危険があります。熱中症などで脱水症状に陥ったら、経口補水液を用いてください。