前立腺がん手術後 尿のじゃじゃ漏れ防ぐ唯一の治療法とは

公開日: 更新日:

 前立腺がん手術で命は助かった。でも、尿漏れが止まらない……。前立腺全摘後の重篤な尿漏れの治療が、人工括約筋埋め込み手術だ。国立がん研究センター東病院泌尿器・後腹膜腫瘍科の増田均科長に聞いた。

 前立腺がんでがんが前立腺内にとどまっている場合などは、前立腺全摘手術が行われる。前立腺がんは、排尿に関係する尿道括約筋と近い場所にできることが多く、大抵の患者に術後、尿漏れが起こる。

「一般的に、6カ月くらいで急激に尿漏れが改善し、1年も経てばなくなります。それまではパッドで対応します」

 ところが、まれに“じゃじゃ漏れ”が6カ月を超えても続き、パッドでは到底間に合わず、おむつを手放せなくなる人がいる。

 患者の肥満度、骨盤の形、尿道括約筋の個人差などさまざまな要因が関係しており、「米国でトップクラスの腕の医師が手術をした場合でも2・3%の比率で起こる」という報告もある。

■人工括約筋埋め込み術で劇的に改善

「尿漏れの治療には、骨盤底筋体操、膀胱訓練、抗コリン薬などの薬物療法がありますが、前立腺がんによる重度の尿漏れには効きません。唯一の治療法が人工括約筋埋め込み手術になります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇