抗凝固薬は古い薬と新しい薬では価格差が50倍もある
この価格が患者さんにとってバカにならない負担になっています。先に説明したように抗凝固薬は副作用が出ない限り飲み続けなければならない薬です。しかし、継続的に飲み続けている人は全体の80%程度で、20%の患者さんは脱落してしまいます。
薬をやめてしまう理由はいくつも報告されていますが、「費用」は非常に大きい要因になっています。当然、薬代が高くなれば脱落する人は増えるので、ワーファリンに比べてDOACは脱落率が高いのです。
また、副作用についてもしっかり考えるべきポイントです。
抗凝固薬は血液をサラサラにする分、どうしても出血しやすくなる副作用があります。薬が効き過ぎてしまうと、脳の細い血管や内臓の血管で出血するケースもあり、気づいたときは出血が広がっていて、急に意識を失ったり、ショック状態になるなど重篤な状態を招く場合があるのです。
ワーファリンに比べ、DOACは出血に関する副作用は少ないといわれていますが、広く使われるようになったことで今後は増える可能性があります。また、胃痛、腹部の不快感、嘔吐、下痢、食道炎といった消化管に関連した副作用が報告されているのも特徴です。