顎の疲れや歯の痛み…高齢者の口元異変に潜む意外な病気

公開日: 更新日:

 口をもぐもぐさせる、舌を出したり引っ込めたりする、歯を食いしばるーー。老人ホームなどでよく見かける光景で、高齢者特有の動きのように思える。しかし、病気が隠れていることがあるという。「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長が言う。

「歯がむずがゆい、歯が痛い、入れ歯が合わない、顎が痛い、疲れる、と訴える人は顎関節症などと診断されがちですが、そうした患者さんのなかに、実は口舌ジスキネジアではないか、と疑われる人もいるのです」

 ジスキネジアとは自分の意思とは無関係に体のどこかが勝手に動いてしまう不随運動の総称。「口舌ジスキネジア」は、そのなかでも口周囲の顔面筋、舌筋、そしゃく筋に、持続して同じ動きを早く繰り返す不随意運動を指す。口舌ジスキネジアか否かを判断するには、頬に手を当てて、咬筋などの動きを知る必要がある。意識なしに咬筋などが固くなるようなら、この病気の可能性がある。

「口舌ジスキネジアの患者さんは歯をカチカチ鳴らしたり、噛み合わせながら左右に動かすことで歯の表面を摩耗させたり、入れ歯を傷つけたり、口に痛みを感じたりします。なかには舌を動かさないよう歯に押しつけるため、舌先に痛みを訴えられる患者さんもおられます。話をするのに支障はありませんが、しゃべり方が変わる人もいます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり