小倉智昭は手術で全摘 膀胱がんで知っておくべき4つのカギ
しかし、前述のように膀胱がんは進行が速いため、別の治療をやっている間にがんが広範囲に及んで、完治が望めなくなるケースがある。
「現在、膀胱温存のために取られている治療法は、奏効率が良いわけではありません。ケース・バイ・ケースですが、膀胱温存への過度なこだわりは、捨てた方がいい。膀胱全摘は、完治を見込める治療法だということを忘れてはいけません」
今年4月から、手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた膀胱摘出手術が保険適用になった。膀胱全摘であっても、術中・術後の患者の負担はかなり軽くなっている。
■再発予防は可能か
筋層にまで広がっていない膀胱がんでは、内視鏡でのがん切除が可能だが、再発を繰り返す可能性がある。
「少なくとも5年目までは、3カ月に1度は再発チェックの検査が必要です。最近は、アミノレブリン酸という薬を投与すると、膀胱がんが赤く光って発見しやすくなる光力学診断システムが登場して、検査でも患者さんの負担は軽くなっています」