小倉智昭は手術で全摘 膀胱がんで知っておくべき4つのカギ
「膀胱は表面から粘膜、筋層、脂肪という組織構成で、どの組織まで広がっているか、さらにリンパ節や他の臓器への転移があるかで治療が決まります。広がりが粘膜までなら内視鏡による治療が可能になり(例外もある)、筋層まで広がれば膀胱全摘となる。血尿ですぐに検査を受けていれば内視鏡でOKだった人が、診断が遅れたため膀胱全摘が必要になったり、あるいは転移して完治が見込めなくなることもあるのです」
■リスクが高い人
何といっても喫煙者だ。コーヒーとの関連を指摘する声もある。
「喫煙と膀胱がんの関係は明らか。コーヒーに関しては意見が分かれています」
■全摘すべき?
膀胱全摘となると、「尿路変向術」が同時に行われる。別の方法で尿を排出できるようにするのだ。男性の場合、小腸の一部に尿管をつなぎ、それを腹部の皮膚に縫い付け尿の排出口にする「回腸導管」や、小腸あるいは大腸を縫い合わせて作った新膀胱を尿道につなぐ「自排尿型新膀胱造設術」などがある。いずれにしろ身体的変化があり、心理面や生活の質に影響を及ぼす。そのため膀胱温存を望む声もあり、抗がん剤や放射線の治療、抗がん剤あるいはBCG(ウシ型弱毒結核菌)の膀胱内注入療法など、さまざまな方法が取られている。