インフルエンザの発熱に使ってはいけない解熱鎮痛剤とは
OTC医薬品の中で解熱鎮痛剤を購入するときの注意点として、「名前が同じであっても、成分が違うものがある」ということを[ロキソニン]を例に挙げて前回お話ししました。
今回は、解熱鎮痛剤を使用する際の注意点についてお話しします。解熱鎮痛剤の多くは「NSAIDs」(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される薬で、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用があることから、頭痛や風邪のときの熱さましとして用いられています。効き目が強く、即効性があるため、多用されている市販薬といえます。
風邪などで高熱が出ることで熱性痙攣のリスクもありますから、解熱するのは悪いことではありません。しかし、発熱の原因がインフルエンザや水疱瘡などのようにウイルスであった場合、逆にNSAIDsを用いて熱を下げると思わぬ事態を招くケースがあります。「インフルエンザ脳炎・脳症」や「ライ症候群」(インフルエンザや水疱瘡などによって起こる急性脳症や肝臓への脂肪沈着といった症状)が起こる場合があるのです。
「インフルエンザ脳炎・脳症患者中のジクロフェナク(ボルタレンなど)を使用した患者は、解熱剤を使用しない患者と比較して死亡の危険が14倍高かった」という調査結果も報告されています。