大腸がんと診断されたことを、父には告げたくなかった

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 入院は1月19日から。モデル事務所にはがんであることを説明しましたが、公表はしていませんでした。書類選考が通っていたオーディションなど断れる仕事はすべて断りました。実は入院前に、私、大出血してしまったんです。便器が真っ赤になるほど。階段を上るのがつらいほど、体力は急激に落ちていきました。「治療は19日からだけど、入院した方が安心なら、そうしますか?」と以前から病院に言われていましたが、病院より家にいた方がやりたいことや仕事ができるからと、自宅で過ごしていました。

 がんの病期は治療前の段階ではステージⅢまたはⅣ。腸壁を破って他の臓器に転移している可能性もゼロではないとのこと。自分の中では、カウントダウンが必要かな、という気持ちがありました。

 父には、がんと診断されたことを告げたくなかったんです。手術をしたら、もしかしたら大したことがないかもしれませんから。ところが主人に強硬に反対されました。いつもは、私がやりたいと言ったことは何でも許してくれる主人が、です。だから、電話で父に伝えたんです。大腸がんが見つかった、って。父が泣く姿を、電話口でですが、初めて身近に感じました。

▽1974年8月生まれ。44歳。北海道出身。モデルとしてCMなどに多数出演。現在は温泉観光実践士協会理事、温泉ソムリエアンバサダーも務める。

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